株の窓口THE相場勘 ~日銀の長期国債買い入れオペ~

為替がとうとう112円を切ってきました。
昨日発表のあったTOYOTAは、想定為替レートを今期110円、通期で107円に変更することで上方修正となりました。既に決算を発表した会社も同様の為替レート前提で決算を発表しているところもあり、ドル円は110円が目安となりそうですね。
テクニカルで見ると、為替は一目均衡表の中で推移しており、雲の下限が今のところ109.95円。ここがサポートラインになるのか・・・

為替操作ではないとの日本の主張はありますが、実質の為替操作(だと私は思っています)である日銀の政策を維持するのが難しくなってきているのはご存知ですか?

日銀は先週末3日と昨日6日の2日間で約1兆6200億円の国債を買入れました。
これは2013年4月以降で最高の買入れ額です。
国内だけでなく、海外全体でも金利上昇圧力が強まっている現在、日銀は『緊急オペをせざるを得ない状況』になっていると見られます。これを繰り返すと量を減らすこともしずらくなり、金利上昇圧力を日銀の力のみでは止めづらい為、結果的には長期金利ターゲットを引き上げる可能性が出てきてしまうかもしれません。

海外からも「どこかで限界が出てくる」、「オペが未達になる危険性がある短期を減らして、長期にシフトしている動きも見られる」との声が出てきているとか。
1月末の金融政策決定会合で国債買入れペースは「年間約80兆円増」を維持しているので、今のところ10年債を0.1%以下に据え置く姿勢を示していますが、引き続き長期金利0%程度に抑えてYCC(イールドカーブコントロール)を続けるのか。

日米金利差で形成されているドル高・円安。
実際問題、110円をキープ出来れば十分な政策だとも個人的には思えますが、先週末のバロンズ誌の中で「ユーロは為替操作で20%ドル高を形成している、円は為替操作で30%ドル高を形成している」との記事も出ており、トランプ大統領の政策はドル高方向を向いているにも関わらず、今現在の為替状況に納得がいかない見方が多いのも実情のようですね。

米国の貿易赤字のみに焦点を当てた考え方だとは思いますが、早速今晩米国の12月貿易収支が発表されます。日米首脳会議を前に、どのような指標が発表されるか。
先行きを見る上で、22:30からの発表を待ちたいと思います。