株の窓口THE相場勘 ~昨晩の米国の動きについて~

NYダウはまた、史上高値を更新しました。ですが、これはダウ平均に限ったことであることは注意したいところでしょう。昨晩発表のあったNYダウ構成銘柄のキャタピラーや3Mが好決算を発表し、それぞれ5%近い上昇をし、30銘柄で構成されているNYダウが大きく上昇した形です。ナスダック、S&P500も上昇はしましたが、ダウほど伸び率は無く、前日の下げ分を取り戻すことは出来ておらず、この部分を見ると上値が重くなってきたようにも思えます。

米・長期金利については着々と上昇を続けており、減税対策に対する期待感が強く、この期待が続く限り上昇が続きそうです。株式市場には金利の上昇が重石となる可能性もありますし、税制改革の進展が見られないようだと、期待が失望に変わる可能性もありますので見通しは不透明部分が多いと思いますが、金利に関しては減税の可能性が残る限りは上昇すると見ています。

WTIも堅調に推移しています。サウジアラビアが今後も減産を続ける、少なくとも在庫が過去5年平均の水準まで下がってくるまでは減産を続ける意思を示したことが好感されたようです。イラク北部の緊張の高まりにより、北部油田の生産が落ちているのではないかとの見方や、イランの核開発について米国が合意を見直す懸念もあります。こういった産油国の材料が素直に買いにつながるようになってきており、足元の需給が引き締まってきたことの表れではないでしょうか。このペースで進めば、年内60ドルも見えてくるかもしれません。