株の窓口THE相場勘 ~昨晩の米国株の強さと原油について~

昨晩の米国ではNYダウは5日続けて最高値更新。強いですね。
特に昨晩は材料があったわけではなかったのですが、夜間取引でダウ先物が100ポイント上昇しており、通常取引もそれを引き継いだ動きとなり、終盤にかけて値を伸ばすことは無かったものの、最後まで高値圏を維持して終えました。
これまで発表された企業決算が良好であったことや、ドル安に動いていることも下支えになっていたのだと思います。

朝方発表された個人所得・消費の内容は、あまり良いものではありませんでしたし、特にインフレ指標となる個人消費支出(PCEコア・デフレーター)はかなり低い伸びにとどまり、米国経済原則懸念やデフレ懸念が強い状況であるとも思いますが、それを含めて今のマーケットは良い材料として捕らえているようです。FRBの追加利上げ観測は後退、長期金利も低下傾向・ドル安も進み、弱気材料を無視しして買いが集まっている状況です。
このことは地合が強いということの表れなのかもしれませんが、一方では無視できない悪材料が出てきた時に、どのような反応になるのかが、現在、マーケットが居心地悪い上昇と感じている要因のひとつなのかもしれません。

原油価格は、このところ戻り歩調でありましたが、昨晩は7日ぶりの反落となりました。
ロイターやブルームバーグなどのメディアの調査によって、7月のOPECの生産量が前月から増えていたことが明らかになり、OPECの減産遵守が行われていないという見方から売りが出ました。6月以降、OPECの生産量が増えていることは言われてきたことではありますが、改めて数字として確認されたことで売りが膨らんだのでしょう。
OPECは口先では、減産を遵守するとは言っていますが、足元で生産が増えていることは忘れるべきではないと思います。この状況がこの先も続くのであれば、世界市場で再び供給過剰に戻ってしまう可能性もありますし、今は在庫の取り崩しが進んでいますが、在庫にも再び積み増し圧力がかかってくる可能性が高いということで、50ドルを超えて推移を続けるのは難しく、再度40ドル前半、もしくは40ドル割れの局面も想定しておくべきなのではないかと思っています。

日本のマーケットでも、日経平均は高値を維持しているとは言え、好決算を発表した場合でも、利益確定売りに押される動きが多く見られます。一旦は出尽くし、材料難から夏枯れ相場になる可能性もあることから、今はキャッシュポジションを増やし、押し目を狙うのが良いのではないでしょうか。