株の窓口THE相場勘 ~時間外でNYダウ先物が大幅下落~

昨晩発表のあった米国経済指標は、4月設備稼働率は予想を若干上回ったものの、4月住宅着工件数・建設許可件数は予想を下回り、米国経済回復基調がスローダウンしてきたようです。
そんな中でもナスダックは連日で市場最高値を更新しているところを見ると、需給の良好さに加えて、先高期待感も残っている状態だとも思いますが、引け後に出てきた『トランプ大統領に関する報道』により、時間外でNYダウ先物は一時100ポイント以上下落し、ドル円も112円前半を推移したことから日経平均を押し下げる要因となりました。

報道の内容は「トランプ大統領が、フリン氏解任の翌日にFBIに捜査中止を求めた」と言うもの。当社では、FBI長官を解任したとの報道が出た際から、この件に関しては、簡単にはおさまらず、後々に悪影響が・・・と指摘しておりましたが、全くその通りとなってきました。

来月に入るまでは、米国で重要とされる経済指標の発表も、ほとんど無いことから、米国の動きは暫くの間、停滞もしくは下落基調になるかもしれません。

日本のマーケットについては、自国の発表で大きく相場を牽引することは、あまりありませんが、明日、1-3月期GDP速報値の発表は見ておく必要がありそうです。
現時点でのエコノミスト予想では、5期連続のプラスとなっており、この通りであれば、5期連続でプラスとなるのは、リーマンショック前の2006年4-6月期以来約11年ぶりとなります。

明日のGDP発表によっては、ドル安・円高方向に多少動きが変わる可能性はあるとは思いますが、短期的な流れで見ると、やはり『Sell in May』の形になると考えています。

今のところ、6月利上げの可能性は依然として高いままではありますが、最近発表される米国経済指標に軟調なものが増えてきていることや、トランプ税制の中で、これまで米国民に指示されてきた『住宅ローン金利分の税控除の適用基準が引き上げられる内容が伝えられており、トランプ政権に対する一時的な懸念が伝えられてもおかしくない状況にあります。
加えてFBIとの問題も浮上しており、払拭するには時間が必要なように思えます。

すぐに、相場が下落を続ける形にはならないと思ってはいますが、可能性の問題として頭に入れておいて頂けたらとは思います。