株の窓口THE相場勘 ~米・減税法案の行方に注視~

昨晩の米国では、これまで期待の高かった米国の法人税減税について下院共和党が5年かけて段階的に下げる案を検討していることが伝わり、相場動向に変化が出たと言えるのではないでしょうか。

これまで、多少遅れが出ようとも、年内もしくは来年の選挙前までには減税が行われるとの見方が台頭しており、法人減税が行われれば業績に大きなプラスが出ることから、特に恩恵を受けやすい金融銘柄に期待が高まっていました。

ですが、昨日伝えられた内容によると、法人減税を現行の35%から20%に一気に引下げた場合、税収の落ち込みが大きすぎるとの考えから、5年かけて下げるというものでした。少なからず減税があれば、業績に寄与するのは間違いないとは言え、今年度、もしくは来年度の業績に対する恩恵が小さなものになる可能性が浮上し、売り優勢となりました。

一方、トランプ大統領の『ロシア疑惑』の捜査が進んでおり、政権に対する不安も再浮上。スキャンダルの為、今後のトランプ政権に対する障害になる可能性も懸念されたようです。

米国の税制改革が行われることでドルが買われ、円安が進んでいましたがこの動きも、米・税制改革の行方を見ながらになることから、今後は一方通行には動きづらくなる可能性があります。ここで注目したいのが、米国FANGの動きではないでしょうか。確かに税制改革での恩恵はFANGにも無いわけではありませんが、金利に関してはさほど影響のないセクター。これまでも米国の金融セクターが軟調な際には買いが集まり、米国市場を下支えていました。

FANG銘柄が下支える形が続けば、ドル円が多少軟調に推移しようと日本市場も底堅さが続くと思いますが、米国市場が調整局面入りし軟調に推移する場合には、これまで世界経済の好調さが日本株を押し上げていた面もある為、米国の動きに引っ張られる可能性もあると見ています。