株の窓口THE相場勘 ~米国の動きから買いの時期をさぐる~

米国・債務上限問題ですが、昨晩、債務上限の期限を3ヶ月先延ばしと伝えられました。

ハリケーン『ハービー』による、テキサス州を中心とした大被害の救済資金と抱き合わせで3ヶ月延長となったようなのですが、この案は、どちらかと言うと、トランプ大統領が民主党に妥協した形であり、共和党の保守派からは大反対を受けています。
この件は、年内の税制改革に影響を及ぼす可能性があり、短期的には債務上限の引き上げの件はクリアしましたが、より重要視されている問題が難しくなったと見ています。

下院では3ヶ月の延長は承認されましたが、共和党の保守派から反対意見が出ています。味方からの反対が出ていることを見ても、今後の政策実行が難しくなったと言えるでのではないでしょうか。

またフィッシャーFRB議長が任期を8ヶ月残して辞任と発表されました。個人的な理由としか伝えられていないので詳しいことは分かりませんが、トランプ政権に対する憶測が出てこなければ良いのですが。
そしてコーン氏をFRB議長には指名しないとの報道もありました。
トランプ大統領の『人種差別発言』が問題となったことが記憶に新しいだけに、火種にならなければと思います。

10月末には米国投資信託の決算があります。
一部では、それに向けた税金対策が始まっているようです。損益通産と言うことで、実利益を落とす為に実損を出す動きが最近ではこの時期に見られます。
実営益の9割以上を配当としてまわさなくてはいけないという決まりがあり、運用者の側から見ると、出来るだけこれを小さくして資産の算出を防ぎたいでしょうから、この時期のアノマニーとなっているようです。
今年もこの流れになるのであれば、9月の半ばからこの動きが顕著になり、10月に安値を見る形になり、そこが買い場となる可能性があります。

米国の経済や企業業績を見ても良好ですし、税制改革は今年の成立は難しくなって来ましたが、来年の中間選挙前に成立するのは確実。となると、税制改革の時期が見えてくる年末にかけては、年内に税制改革が行われなかったとしても、上昇が予想されます。

日本も米国の動きについて行くでしょうから、懸念が山積みの今月から来月半ばにかけてが、買い場探しの期間となるのではないでしょうか。