株の窓口THE相場勘 ~米国の動き~

NYダウはこの2日間の下げを帳消しにする形で反発し、昨晩の米国は3指数揃っての上昇となりました。

6月から冴えない相場が続き、原油価格も下げ基調、国債の利回りも冴えない中、今一つだけ好材料を挙げるとすれば今期の決算が良ければとの期待からの上昇だったのだと思います。

米国では決算発表真っ只中であり、主要500社の決算予想はプラス8.5%と出てきています。これにはエネルギーの触れ幅が大きいと言うのはありますが、米国経済は着実に改善を続けていると言うことだと思います。この状態にトランプ政権の政策が実行されれば、更にプラス10%程度の上乗せが期待できると思いますので、全体的には、その政策実行を待っている状態と言えると思います。

昨年の4-6月期の米国はマイナス2.5%成長でしたし、そのうちの85%がエネルギー関連の減益でしたので、エネルギー関連がプラスに転じるだけでも今年の4-6月期がプラス8.5%成長と言うのはうなずけます。
前年の反動と言うこともありますし、オバマケアの代替案は一旦流れましたが、税制改革について秋に動きだすということですので、今のマーケットは税制改革が進むとポジティブに受け止めているようです。個人的には心配要因と見ていますが・・・

オバマケアについては、メディアが『トランプ大統領が就任してから、何も進んでいない』など否定的な報道が多いのですが、オバマ大統領の時でも初年度にはオバマケアを成立できていませんでした。健康保険の問題と言うのは、奥が深く難しい問題であり、2年目で成立し、実行されたのも、その数年後ですので、本当に難しい問題で、簡単ではない
ということをしっかり押さえておくべきではないでしょうか。

オバマケアが可決されなかったことで、減税等についても先送りになるというメディアの報道を鵜呑みにするべきではなく、『トランプ大統領が就任してからの相場』・『米国株式の最高値更新』・『補欠選挙で大統領選以降も共和党が勝っている』ことを見れば、メディアが間違っていることが分かるのではないでしょうか。

S&P500のIT関連の終わり値が、バブルがはじける前の2000年3月の値を抜いてきています。今の米国のハイテク株の力は本物であり、産業革命に近いことが起こっていると思っています。ですが、こういったハイテク株のみが上昇しているというのは、ここ数年間
ずっとそうでしたが、本当に相場が強いとは言えない状態なので、よりローテーションが起こっていけば、米国のマーケットは更に強くなるのだと思います。

来週からは議会が夏休みに入ります。9月には戻ってきますが、議会が9月に始まってから2ヶ月あまりで経済政策が通せるのかと、マーケットが不安を抱いた時に調整があると私は思っていますが、一方で成立する可能性もゼロではありませんので、この投資家の心理的な上下がマーケットに反映されるか・・・
年内に経済政策が絶望的となれば、調整はあると思いますが、来年には行われる政策ですので、その調整があれば、絶好の仕込み時なのではないでしょうか。