株の窓口THE相場勘 ~米国の金利と株価について~

昨日はボーイング、一昨日は3Mとキャタピラーと、決算発表を反映した形となったNYダウ。そもそもNYダウは、価格指数であり、時価総額加重平均ではない為、株価が高いものほど影響をします。その為、直近の動きは値嵩株が決算によって動いた為、これによってS&P500やナスダックよりも誇張された動きをしていたように思えます。

また、昨晩の下落の要因について、米長期金利の上昇が株価の重石になったとの見方もあるようですが、本当にそうなのか。

米国は30年ぶりに税制改革を行います。オバマ政権の際に法人税率を世界一高いままにしていたことが、米国の経済成長率2%に留まった大きな要因の一つだと思うので、改革が行われることで、米国経済成長率は3%にのってくると思います。そう考えると10年債利回りが2.4%というのはおかしいので、中長期的に見ると、少なくとも3%にのせてくるのではないでしょうか。つまりは、今の長期金利の動きは正常な金利水準に戻っている過程だとみています。そもそも短期金利が長期金利を上回ると一旦景気の上昇は終わると言われており、こういった動きにならないように景気を持続させないと経済成長は続かないと考えると、直近のように長期金利が上昇をすることは、株価・景気にとって良いことなのだと思います。

オバマ政権の際、財政が出せなかった時代に金利に頼るしかなかったことで、マーケットは金利にたよるしかなかったことで、金利を気にする習慣がついてしまっているのだと思います。

過去に米国・株式市場が調整局面に入るときは、景気が過熱し、インフレ懸念から短期金利が押し上げられ、長期金利を上回る逆転現象が起きたときに、金融市場が変動をきたし、リセッション入り・株式市場が急落しています。まだ利上げが始まったばかりなので、まだまだのびしろはあると思います。それよりも過去の局面を見ると、長期金利と短期金利の逆転が起こるまで、どれだけの長い期間・どれだけの幅で上昇をしているかを見ると、上昇余地の方が高いのではないでしょうか。