株の窓口THE相場勘 ~米国・予算教書第2弾~

日経平均の上値は重たいですね。
昨晩はトランプ大統領により、「米国とサウジアラビアとで大型投資案件について相次ぎ合意」との報道から、米国株は3指数揃って上昇。
引き続き、トランプ大統領のロシアゲート問題等の報道も目にしますが、個人的には、公約に沿って、しっかりと大統領としての仕事をこなしている様に見えますが。

そんな中、今晩は、2018年度(2017年10月~2018年9月)予算教書が米ホワイトハウスにより公表される予定です。

あくまで予算教書と言うのは、「今後このような方向で進めたい」と言う意思表示のようなもので、上院で承認されるかどうかは別問題ではありますが、3月に公表された予算教書では、選挙戦の際の公約と変わったところはなく、細かな部分は分からずじまいではありましたが、今回はどうなるのか・・・

今のところ伝えられている部分では、
・メディケイド(低所得者向け公的医療保険)約8000億ドル削減
・その他の社会保障費削減
・低所得者への食料補助や家賃補助などのプログラムの縮小
・トランプ大統領が計画する義務的経費を盛り込む
・環境保護局の地方政府向け補助金の大幅削減
・地方政府にインフラ事業向け支出の拡大を促す為2000億ドルの予算を盛り込む
ことなどが見通されています。

トランプ大統領率いる共和党は、トランプ政権の政策の柱とも言える『減税』を実現化させることを課題としており、予算調整制度を通じて実現させたい意向のようです。
と言うのも、この制度を利用することで、単純過半数の賛成で法案を成立させることが出来る為、民主党の支持を必要としないためです。

盛り込まれるであろう内容を見ると、一見、低所得者層には厳しい内容のようにも受け取れますが、減税を行うことで、まかなえる内容になっているとも思いますが、共和党の思惑通り進められるのか・・・

ロシアとの問題が解決していない時期なだけに、一連の社会保障プログラム削減が上院で承認を得る可能性は難しいところではあるかもしれませんが、共和党が予算調整制度を利用することを押し切れるのか。

マーケット関係者が見極めたい中、商いが薄くなるのもうなずけます。

今週末にはOPEC総会も開催されますし、様子見ムードが続くのではないでしょうか。

日経平均に関しては、米国の内容も気にしつつ、騰落レシオを見ると依然として高止まりの警戒域にあることから、上値を追うほどの個別サプライズが無い限り、薄商いで、手控えられている中、どんどん買いが入ってくるとは考えにくいところ。
ただし、来月初めにはトランプ相場が始まった11月から6ヶ月になることから、信用の処理が入ってくる可能性があると思います。

それまでは、どちらに進もうとしても動きづらい展開が続く可能性があると思っています。