株の窓口THE相場勘 ~米国大幅下落は健全な動き~

久々に大きな下げを見せた昨晩の米国市場。
司法長官の更迭問題は、これまでもこちらのブログで警告をして来ましたが、需給の良い5月の初めだったことで、米国マーケットは上値を保っていましたが、やはり、それほど簡単な問題ではないのが明らかになった形と見ています。

出口が見えるとしたら、来週水曜日に解任されたFBI長官の公聴会がありますので、そこで今後の方向が見えるとは思いますが、そこまでは、かなり相場が荒れる可能性があるのではないでしょうか。

メディアは、報道を見る限り、トランプ大統領をおろしたくて仕方ないように思えます。
ロシアとの交渉についても、揚げ足を取るような報道の仕方をしているように見えますが、FBI長官更迭の問題については、来週水曜日の公聴会で何が出てくるか分からないだけに、最悪のシナリオとして、トランプ大統領の弾劾もゼロではないだけに、慎重に見ていく必要がありそうです。

ですが、コミーFBI元長官は録音テープなどを持っている可能性は少なく、持っているとすれば、トランプ大統領だと思っているので、この件については水掛け論になる可能性が高いと思っていますし、トランプ大統領の発言を英語で見ると「(調査が終わることを)I hope(希望する)」と言っており、強制的に指示したように日本の報道では伝えられていますが、英文で見る限り、強制的では無いようなので、このことがトランプ大統領弾劾につながることは今のところ無いとは思っています。

また、トランプ大統領弾劾になるには上院の2/3の承認を得なければならず、かなりハードルが高いと言えます。

最悪のシナリオ通り、トランプ大統領が弾劾につながる場合でも、トランプ大統領でなくても、共和党の政策が進みやすくなると言うだけで、一時的なショックはあるかもしれませんが、その時は出尽くしとなり、逆に大幅高になるのではと見ています。
つまり、共和党優位の流れは変わらないですし、議会は共和党が握っているのにも代わりはないので、最悪のシナリオの通りになったとしても、米国マーケットの流れは長期的には変わらないと思っています。

むしろ、これまでの上昇ピッチが早すぎたので、この押し目に関しては心地よいと見るべきなのではないでしょうか。
米国政権が共和党に変わり、米国は年初来の上昇率が5%程度になっており、年間で10%程度の上昇が見込めると見ると、年後半にとっては健全な調整をしているとも言えると思います。

今回の問題で、「減税案」「社会インフラ投資」「オバマケア代替案の修正」などが遅れる可能性が高まったことが背景にあります。ですが、これらの政策は必ず起こりますし、先延ばしになっただけのこと。長期的に長く上昇トレンドを築く為には、今回の調整は必要不可欠なものとも思えるだけに、直ぐに上昇トレンドに方向転換することは無いとは思いますが、マーケットが健全に推移していると思っています。