株の窓口THE相場勘 ~米国株価 大幅上昇の背景~

昨晩の米国市場は大幅続伸。中国が自動車等の関税等を引下げる方針を示したことで、米中貿易摩擦が緩和されるのではないかとの見方が広がり終始買いが優勢の形となりました。

米国は既に鉄鋼とアルミの関税は引上げており、トランプ政権が兼ねてから主張していた市場開放等の要求を中国側がのんだことから、Twitter上ではトランプ大統領は賞賛していますが、それだけで鉄鋼・アルミへの上乗せ関税を撤回するとは考えにくいと思います。

中国は最終的にはWTOに持ち込んで解決しようとする思惑があった可能性も否めません。米国は既に関税をかけていること、コーンNEC委員長を解任して以降、保護主義政策に傾いていることは忘れてはならないのではないでしょうか。

昨晩FaceBook・ザッカーバーグ氏の公聴会が行われ、半導体関連株が大きく戻してきています。FaceBookに関しては、規制が厳しくなれば様々な企業に影響を与えることになるでしょうが、それだけの規制強化を行うには時間がかかることや、具体的な動きが見えていないこともあり、急激にFaceBookの業績が悪化するとは考えにくいのではないでしょうか。

WTIは再び65ドルに乗せてきました。貿易問題による景気の低迷や需要の低下懸念が上値を抑えていましたがそれが取り除かれたこと、OPECが引き続き減産を続けるとの発表があったこと、シリア問題がくすぶり始めたこともあり、強気材料が重なり大きく上昇となりました。産油国の供給不安、ベネズエラの生産が減少していること、米国がイランに対し制裁を再開するかもしれないと言うことを見ても、積極的に売りは仕掛けにくいと考えています。