株の窓口THE相場勘 ~米国経済の現状について~

昨晩は、4営業日ぶりにナスダックが大幅反発。FANG銘柄に強さがありました。
最近の米国市場は、理由無く銘柄が売られたり買われたりしていて、説明しづらい相場が続いておりますが、強いて言えば、金利が下がる時にテクノロジー株が買われ、金融銘柄が売られているようです。
金融銘柄については納得できますが、テクノロジー銘柄に金利はさほど関係が無いだけに、単に資金が循環しているだけなのかもしれません。

FOMC議事録に関しては、『しばらくインフレ率が2%より下で推移する可能性が高い』と
認めていますし、若干、期待インフレ率が戻ってきてはいますが、依然として1.6%台を推移しており、ここ最近の金利の戻りは『だまし』の可能性が高いと見ています。今は独立記念日で議会は休みであり、来週になると議会は再開となりますが、経済政策関係は夏休み前に成立させるのは無理でしょうから、金利に関しては、やはり下方向ではないかと思っています。

理由としては、
『期待インフレ率が低い』
『米国は税制改革を行えば3%以上の経済成長を見込めるとは思いますが、
それが無ければ現状維持』
『今年の税制改革についてはある程度、マーケットは織り込み済み』
『織り込んだ分の反動がでる可能性がある』
などが挙げられます。
これらを踏まえると、秋には『税制改革の時期』について、議会の動きがキーになるでしょう。

原油の下落については、期待インフレ率の低下につながり、金融セクターの下落につながる可能性があり、プラス材料ではないと思います。
トランプ大統領が、「ドライブシーズン真っ只中でのガソリン価格の低下は評価されるべき」と言っており、確かに消費者には良い影響を与えるのは間違いないのですが、株式市場は往々にして、長期的な影響よりもエネルギーセクターが目の前で資産価格(純資産価格)が、エネルギー価格の下落により下がっていくと言うことに耐えられないというのが最近のパターンですので、今後も同じように反応するのではないでしょうか。

昨日切り替えしはしましたが、FANG銘柄が利益確定売りによって押されているわけですが、FANG銘柄の相場自体はまだまだ終わっておらず、長期で見ればまだまだ上昇基調に
あると見ています。ですが、金利が上がったことで売られると言うのは、単にハイテクから
金融に資金が流れているだけのことですので、意味の無い動きだとは思っています。

金融セクターの好調さについては、金利の上昇とともに銀行株が上昇するのは、今後も続くでしょう。ただストレステストも終わって、これから材料難のシーズンになるのを考えると、このまま金利が上がり続けるとは考えにくいと思うので、この流れにのって金融セクターを直ぐに買っても利益が出るまでは時間がかかる可能性が高いのではないでしょうか。
ただ、税制改革法案はいずれ通るのは間違いないですし、税制改革法案が可決されれば一番恩恵を受けやすいのが金融セクターですので、下がったところは拾うというスタンスで良いのではないでしょうか。

米国経済への信頼感については、今現在まだら模様だと思います。
4月~5月には、弱い経済指標が多かったのですが、ここに来て強い経済指標も出てきており、思っていたよりも米国経済は強いのかもしれません。

ですが、高いときに無理に買うと言うのではなく、今は利益のあるものは利益確定を行い、次の相場に向けてキャッシュポジションを増やしておく時期なのかもしれません。

ナスダックが反落すれば日本の電気セクターやハイテク株が売られ、米国の金融銘柄が上昇すれば、日本の保険セクターや銀行セクターが変われるなど、最近特に、日本の株式市場は米国の動きがそのまま現れているような気がします。
むしろ日本独自の経済指標や材料よりも、米国の動きに連動している部分が多く見えますので、是非皆様も米国経済に注目すると良いかもしれません。