株の窓口THE相場勘 ~自動車関連銘柄についての懸念~

昨晩の米国市場はプラス圏から始まるも、ザラ場中、一時100ドル以上下げる場面もありましたが、終わり値ベースでは小幅マイナスで終えました。
昨晩発表があった3月ISM製造業景況指数が予想に届かなかったこと、ロシアの電車内爆破テロを受けてのリスク回避の動きの様ですが、結果としては、依然として強いものではありましたし、まもなく発表が始まる決算が10%程度の上ぶれがあるとの見方もあり、下げたところは買いたい投資家が多いのでしょう。

また、昨日の米国では3月自動車販売が発表され、結果は予想を下回る、1662万台(予想は1730万台)でした。
内容を見て見ると
■日産:3.2%増。クロスオーバー車の販売は26%増で過去最高。
ただし、日産・ウーィラー氏によると、値引きが前年同月に比べ拡大し在庫水準も上昇していると述べています。
■GM:2%増。SUVの販売台数が2008年以来の高水準。
■フォード:7%減。ピックアップトラックが10%増であったが、レンタカー会社や企業・政府への販売台数が17%程度減。
■トヨタ:2.1%減。
■フィアット:5%減。
■ホンダ:0.7%減。
この結果を受けて、値引き合戦が各社の利益を圧迫しかねないとの懸念の声も出てきています。

そして自動車業界の懸念材料がもう一つ。
米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)自動車ローンの貸倒率が1月に9.1%と、金融危機以降の最高に達したということ。
主な要因は、借り手が債務不履行に陥った後の債券回収率が悪化したこととなっています。また、債務不履行の借り手から、ローン業者が回収した自動車の再販ですが、中古車在庫があふれていることにより、価値が低下。

これに加えて、今月18日(火)には、日米経済対話が行われるとなると、今現在、どんなに業績が好調でも、自動車関連銘柄は様子見をしたいと感じてしまいます。
参照:日米経済対話について

落ちてきたからといって、安易に買いで入るのは時期尚早かもしれません。