株の窓口THE相場勘 ~解散総選挙について~

米国の税制改革が年内成立するかは、今後もワシントンの動向に左右されるとは言え、マーケットの動きを見る限り期待感は強く、押す場面では買いたい投資家が多いのが感じられます。

では日本ではどうなのか。
解散総選挙の話題が出て以来、株価は右肩上がりであり、メディアの報道でも選挙の話題ばかりです。

海外投資家の間では、
『自民党が勝利』→安定した安倍政権で不安が取り除かれ買い材料
『希望の党が勝利』→新たな政権に期待で買い材料
と、どちらとも買い材料との見方がある一方で、米国の税制改革や北朝鮮問題に注目が集まっており、日本の選挙に関しては、さほど重要な材料視はされていないとの見方もあります。

そもそもこのタイミングでの選挙に関しては、この時期に多大な税金を使用してまで選挙をする意味があるのか疑問がありますが、決まった以上、どちらが今後の日本にとって良いのか、マーケットにとって良いのか・・・
報道を見る限りでは、『憲法改正』・『消費税使途の変更』などに関心のある方が多いようです。
『憲法改正』については、小池氏も安倍氏も改正には賛成のようですし、個人的には、今の北朝鮮情勢を加味すると必要なことなのではないかと思っています。

考えなくてはいけないのは『消費税』について。
皆さんもご存知の通り、日本の借金は増え続けています。そういった状況下でありながら、
『自民党』幼児教育無償化などに増税分をあてる方針
『希望の党』増税凍結で先送り
と打ち出しています。

2012年に消費税率5%から10%への引き上げで得られる財源は「社会保障の充実」・「基礎年金国庫負担引き上げ」・「後代への負担つけまわしの軽減」に使用するとされていました。
今回自民党が勝利し、幼児教育無償化に財源を充てることになれば、2012年の計画に、新たな財源の使用用途が加わることになります。
単純に考えれば、使用用途が増える分、公的債務が更に増えることになります。『幼児教育無償化』は次世代の為の政策と訴えていますが、その分、債務が膨れることで、結局は「後代への負担つけまわし」が増えることになってしまいます。

ですが、増税を凍結すると、現状でも国の借金は返済できていないのですから、高齢化が進む日本では年金・医療費・介護費等、社会保障の部分が増え続けてしまうのは目に見えています。

では景気が回復してきていることで税収が増え、日本の借金は減るのか。
2016年は企業業績が上向いたにも関わらず、税収は減っています。理由は円高と言っていますが、日本もいつまでも緩和政策を続けることが出来ないのも事実でしょう。現に世界の動きは米国を筆頭に緩和縮小の動きに進んでいます。
現在は、政策の違いから円安傾向にはありますが、日本経済がより豊かになるには社会保障制度の見直ししか無いように思えます。

となると、自民党?希望の党?
どちらが社会保障制度の見直しを行ってくれるのか・・・

投票日まで各党の方向性を見たいと思います。

と言うことで今週もお疲れ様でした。素敵な週末をお過ごし下さい。