株の窓口THE相場勘 ~高まる地政学リスク~

週末の米国市場は、米3月雇用統計で非農業部門雇用者数が10万人を割り込むネガティブサプライズとなったことで、一時ドル売り円買いが進みましたが、ダドリーNY連銀総裁が、「今年の年末から来年初めにかけてバランスシート縮小を開始する」との発言したことから債券利回りが上昇、ドル買い再燃となり、ドル円は111円台を推移する形で終えました。

ですが、依然として地政学リスクは残っており、株価は反転しても状況を見守りたい状況に変わりはありません。

米国や日本では、化学兵器を使用したシリア政府への非難から、トランプ大統領の支持率は増加、米国の上院下院でもトランプ大統領を賞賛する声が出ているということですが、ロシアでは全く逆の動きが出ており、ラヴロフ首相は「国際法の侵犯」とまで言っており、米・露の関係悪化が気になるところ。
日米の報道では、サリンにより子供たちが被害を受けた映像が多く見られますが、今回のシリア攻撃により、民間人が10人死亡したことについては触れられていません。

また、北朝鮮も「シリア攻撃は容認できず。核武力を強化する」見解を示しています。
北朝鮮は明日、4月11日に最高人民会議開催予定となっており、これまでこういった大きなイベントの都度、核実験を行ってきていることから明日の動きが大変気になるところです。
これにあわせてか、米海軍の打撃軍が朝鮮半島近海へ向かっていますが、どのような行動を計画しているかについては不明。

エジプトでも週末にイベントにあわせて自爆テロが起こっており、個人的には、調べれば調べるほど緊張感が高まる状態が続いていると思います。

先週金曜日のシリア攻撃の時もそうですが、こういった事態では、業績もテクニカルも全く関係ない動きを見せる可能性が高いので一旦は利益確定をお勧めします。

こういった状況下でも上昇する銘柄はもちろんありますが、見守るのもリスク回避をする上で大事な手法の一つと言えるのではないでしょうか。何も無いことを祈りますが、簡単には終わらない状況下と言えると見ております。