株の窓口THE相場勘 ~FOMC声明を受けて~

昨晩のFOMCは予想通りの結果となりました。
これからワシントンでオバマケア代替法案が9月30日という期限が控えているのと、税制改革法案が年内に成立するかどうかが今後のポイントですが、いずれもトランプ大統領の言っている方向に進むのであれば、FOMCの見通し通り利上げをしても金利が正常化していき、金融セクターが相場を引っ張っていく展開になると思います。

FOMCの金利予測は年末で1.375という数字が出ており、今の水準からすると0.25%引き上げた数字であり、年末に1度、2018年度に3回程度の予測となっています。
私は、これはワシントンの動向次第だと見ています。本当に税制改革が実施され、済成長率3%となれば、長期金利が3%を越えていくはずで、そうなればイールドカーブがたった形で、FRBは利上げしていけます。
ですが、今の水準でFOMCの予測通り金利を上げてしまうと、イールドカーブがフラットもしくは右肩下がりになってしまい、そうなると金融セクターに打撃であり、そうなると金融セクターが打撃を受けると経済全体に影響を与えることになりますので、ワシントンの力なしに、今の経済状況のまま利上げを続けることは無謀のことのように思えます。

米国の企業業績の予想数字は7-9月期で6%増益予想が出ており、企業業績が良いのであれば、多少、利上げを強行的に行っても問題ないとの見方もあります。
前期・前前期に比べると伸び率は低下するものの米企業業績は依然として堅調だと言えます。企業業績が良好である背景には、多くの企業がトランプ氏が大統領になったことで期待が高まり、減税があるという見通しの上、経済活動が活発化し、個人も減税を頼りに生活水準を変えてきている部分が多いのが実情です。
となると、企業業績は期待で上がってる分、政策の実現が無ければ、長期金利が今の水準のままFRBの利上げが行われれば経済にとって悪影響もあると思っています。
これまで世界的に経済が低調であった為、米国にとって通貨安(ドル安)が良いという見方が最近では根付いているのかもしれませんが、インフレを抑えるために、通貨を高くして金利を上げることが昔はテーマとなっていました。
経済が良好になるにつれ、通貨高・金利高を求める方向に変わる可能性があるのではないでしょうか。

いずれにせよ、本日はFOMCと言う重要イベントを通過し楽観ムードが広がる中、日米金利差を期待したドル買い・株買いが続いてはいますが、この動きの裏づけを取るには、やはりワシントンの動向が肝になってくると見ています。