株の窓口THE相場勘 ~TPP離脱により日本の予算1兆1900億円損失~

昨晩、トランプ米大統領は公約していた通り、TPPからの離脱に大統領署名しました。着々と選挙期間中の公約を進めているようです。

TPPの脱退が正式に決まったことで、日本は米国との二国間協定(FTA)に方向転換するしかなくなったわけですが、この決定で多大なる税金の損失があったことをご存知ですか?日本政府はこれまでTPP対策として2015年から2016年で1兆1900億円もの予算(税金)が使われていたと見られています。その内訳は下記の通りです。

2015年補正予算 計4875億円
■海外展開先のビジネス環境整備 223億円
■ブランド化などの強化 1053億円
■攻めの農林水産業への転換 3122億円

2016年当初予算 計1582億円
■コンテンツ・技術などの輸出促進 131億円
■企業間連携等による生産性向上促進 245億円
■食の安全・安心 29億円
2016年補正予算 計5449億円
■新たな市場開拓支援等 853億円
■ブランド化などの強化 907億円
■攻めの農林水産業への転換 3453億円

合計1兆1906円 ※格府省提出の予算額をTPP政府対策本部が集計

これらの予算消化について、内閣官房TPP政府対策本部の担当者は「適切に執行されている」と説明していましたので、昨晩のトランプ大統領の署名により無駄になったことになりますね・・・

また、昨晩、他ランプ大統領は米企業の経営者らと会談し、大胆な規制緩和や大幅減税策を進める方針を示しました。そこで不公平な貿易の一例として日本と中国を名指し。日本は米国で多くの自動車を販売しているのに対し、米国車の日本での販売数が少ないことを指摘し「公平ではない。話し合う必要がある」と述べたと伝えられています。これを受けてS&Pはホンダ(7267)の格付けを格下げしてきています。

現在の日本は、半導体等も含め自動車が好調なことを受け、業績が回復基調にある企業も多いのが実情。メキシコからの国境税も含め、日本と米国のFTAの内容は今後の日本の自動車及び関連銘柄に大きな影響を及ぼすのは間違いありません。

トランプ大統領の動きはもちろんのこと、安倍首相や日本政府の今後の動きにも注目必須です。来週は日銀金融政策決定会合。税金の使い道、今後の日本のあり方、ETFの今後など、話し合いがされるかは不明ですが、安心できる材料が欲しいところです・・・