株の窓口THE相場勘 ~米国の今後の見通しについて~

NYダウは連日で高値更新をしてきましたが、昨日は11日ぶりに反落。
寄り付きは少し売りに押されたものの、直ぐに切り返し上昇。昨晩も高値を更新するかのように見えましたが、昼過ぎから流れが一変しポジション調整の売りに押され、更にはトランプ大統領が北朝鮮に対し、「このまま挑発を続けるのであれば、猛烈なしっぺ返しがある」と警告を発したことで地政学リスクも高まり、マイナス圏で終了しました。

少なくともNYダウについては買われすぎなのは否めないと思うのですが、マーケットの地合が強いので、何も問題が起こらなければ上昇が続きそうな相場のようにも思えるのですが、何も問題が起こらないということは、この先ちょっと考えにくくなってきていると思います。

北朝鮮リスクが今晩以降も、売りの手がかりになるかは分かりませんが、他にもトランプ政権のスキャンダル問題、雇用が伸びているにも関わらず賃金やインフレが低迷し物価が上がってこないというマクロ面の問題、また、そろそろ4-6月期の決算発表も終わりに近づいてきましたから、ここから先、ミクロ面での株価押し上げが期待出来なくなるという状況を考慮すれば、何か悪い材料が出てくる度に、ポジション調整の売りが膨らむ可能性が高いのではないでしょうか。

金利については地政学リスクを睨んだ動きと、FRBの利上げ観測の後退などに対し、神経質な動きにならざるをえないでしょう。8月中は議会は休みで、政治的な問題と言うのは9月第一月曜日・レーバーデー休み明けから本格化するとは思いますが、その前に8月20日の週にはジャクソンホールでシンポジウムが行われます。そこでイエレンFRB議長がスピーチをしますが、これが過去にも何度も金融政策の転換点になったということがありますので、8月20日の週に向けて、決算発表のミクロ面が出尽くした後は、政治的動きが期待できず、FRBの金融政策に対する注目度が上がってくると見ています。

原油価格については、OPEC・非OPECの減産合意についての報道もありましたが、マーケットは、OPECの動きに期待が薄いようで昨晩も下落。
NY時間の朝には「サウジアラビアが9月にアジア向けの輸出量を顧客の需要より少なくする」と報道がありました。先にもサウジは輸出量を制限すると打ち出したりと、サウジの減産に対する行動が変わってきたように思えます。
これが本当に遵守されるのであれば、WTIは上昇する可能性がありそうです。
サウジの今後の動向にも注意が必要になりそうです。