株の窓口THE相場勘 ~米国3度目の利上げ決定について~

注目のFOMCを終えて、昨晩の米国は株高・債券高・ドル安となりました。この動きは、材料出尽くしの教科書通りの動きだったように思えます。今回の利上げについては既に分かっていたので、声明の内容や、その後の記者会見を通じて、今後の利上げペースが加速するのか、タカ派なのかハト派なのかに注目が集まっていたと思うのですが、結果はハト派となり、利上げが加速するようなところは見えなかったことから、金利には利食いが入り、株は素直に上昇し、ドルが下げたと言うことでしょう。

最近の米国経済指標の良好な結果から、年4回の利上げペースとの見方が出ていましたが、ドットチャートを見る限りでは、現在では今年は3回、来年も3回のペースと言うことろでしょうか。

年内は残り2回の利上げ予定となりますが、今年は少なくとも、短期で実質金利がプラスになることはないとの見方から、為替にとってはドル安要因であり、株にとっては強い要因で、この流れは今年いっぱい、もしくは来年の前半まで続く可能性があり、米国のキャピタルマーケットにとって追い風の状態と言えると思いますが、日本のマーケットにとっては、『ドル安』要因が気になるところでもあります。
過去2回の利上げ後の日本のマーケットでは、ドル安・円高により、時間が経過するにつれパフォーマンスの悪さが露出した形となりますので、イベントを通過したとは言え、為替の動きには注意したいところです。
(参照;過去2回の利上げ後について

今回のFOMC発表を受けて、米国10年債利回りは2.6を超えていましたが、2.4台に。
2年債利回りも1.4から1.3まで急落していますから、これは株式市場にとっても消費市場にとっても悪い流れではないようです。(保険など銘柄にとっては別ですが・・・)

ですが、金利市場は今では脇役であり、今の米国はトランプ政権の財政が主役なので、少なくとも今後、財政の効果を超えるような金融政策をとることは無いと思うので、昨晩の米国マーケットは、去年までの利上げの時に比べると、反応は薄くなってきているのも確かなので、今後は更に金利に対する注目度は下がっていくとも思われます。

NYダウのチャートを見ると、もう一段高に向かって動きそうにも見えますがこれまでもイベントの度に(買い材料が出る度に)、上昇を見せていましたが、材料が出てからは下落している傾向にあるので注意は必要だと思います。

明日、米国では予算教書が出る予定ですが、全てが出てくるわけではないでしょうから、長い目で見ると、米国マーケットは期待で上昇する相場は続くのではないでしょうか。

昨晩の米国では、債券のカラ売り数字が巻き返されています。ですが、いつでも債券売り、株売りをしたい方は多いので、米国マーケットに関しては下がったところは買う姿勢が続くと見見ています。