株の窓口THE相場勘 ~8年ぶりのOPEC減産合意を受けて~

11月25日のTHE相場勘をご覧頂いた方には、本日の日経平均は予想通りの動きだったのではないでしょうか。
このブログを通して、指標や世界経済の流れを理解・分析し、株式投資を行うことがいかに重要で、株式投資はギャンブルではないと理解していただけたら幸いです。

昨日のNYダウはOPEC合意、ADP雇用統計の結果を受けて一旦上昇を見せましたが、医薬品・バイオテクノロジーが値下がりし、ほぼ横ばいで終えています。OPECの合意を受けて銀行・エネルギー株が上昇したのを除けば、実質マイナス相場だったとも言えるのではないでしょうか。

リーマンショック前、2007年の高値からSP500は40%以上、上昇しています。
トランプ次期大統領の決定以前の8年間、オバマ政権のもと成立したドット・フランク法(※)やボルカールール(※2)、規制緩和や増税があり、金融・エネルギーセクターは割安でありながら長い間下落。ビジネスは縮小方向にあったという見方や、金融の世界では、ドット・フランク法(※)やボルカールール(※2)は行き過ぎた規制という見方がありました。

「大幅減税・規制緩和・大幅公共投資拡大」を政策に掲げているトランプ氏に決定したことで、米国経済がバランスのとれた形になるのではないかと最近は盛り上がりを見せていますが、ドット・フランク法(※)やボルカールール(※2)撤廃について決定が出たわけではなく、現在の上昇は期待値によるもの。
同様に、OPECで減産合意はされたものの、原油が上昇するのは良いが、過去の教訓から「厳密には守られないのではないかという懸念」や、どこまでエネルギー緩和されるか分からないのが現状。

このことから、昨晩の米国も、本日の日経平均も一旦上昇はしたものの、引けにかけて売られる展開になったのではないでしょうか。

ですが昨晩トランプ氏により、米財務長官にムニューチン氏、商務長官にウィルバー・ロス氏を起用と発表があり、ムニューチン氏は記者会見でドット・フランク法の一部手直しを表明しています。
OPECの際の人選もそうでしたが、(参照;http://blog.kabunomadoguchi.tokyo/market-trend-opec/)着々とトランプ氏の政策実現に向けて動きがあるように思えます。

金融には、経済に血液(お金)を供給する働きがあります。これまでは規制を掛けることで、経済に血液が回らない状態にありました。金融が上がれば、その他のセクターにも血液が回り経済は良くなるでしょう。
金融・エネルギーセクターのみ盛り上がっている感が強いですが、その期待感は出遅れている他のセクターに広がっても良いのではないでしょうか。セクター間の差は、行き過ぎているようにも思えます。

相場がいつこのことに気がつくか・・・

トランプ氏の動向・経済指標と共に、相場の変化も見逃せません。

 

(※)ドット・フランク法;さまざまな債券を複雑に組み合せた金融商品を規制するなど金融機関への監視の強化が特徴。
(※2) ボルカールール;銀行の市場取引規制ルール。銀行が自己勘定で自社の運用資産の効率を図るためにリスクを取って、金融商品を購入・売却また取得・処分をする事を禁止。