株の窓口THE相場勘 ~夏枯れ相場に突入か~

独立記念日を控えて半日立会いだった昨晩の米国市場。
リグ稼動数の減少が伝えられたことでWTIは連日の上昇、更には6月ISM製造業景況指数は予想を上回り、金融株・エネルギー株を筆頭にNYダウ、S&P500は上昇しましたが、ハイテク株中心のナスダックが下落していることを受け、引けにかけて上げ幅を縮小しました。

本日は米国市場は独立記念日で休場となりますが、明日7/5(水)にはFOMC議事要旨の発表を控え、米金利に連動するドル円の動向もあり、本日の日本市場は神経質な展開だったと思います。

時期的にも夏枯れ相場に突入しつつあり、米国と同じく日本市場も出来高が少なく、これまで買われていた任天堂を初めとするゲーム関連銘柄に利益確定売りが出ていることなどを見ると、やはり一旦は利益確定売りに押される展開が想定されるのではないでしょうか。

5月に入ってからの日経平均は25日線に下支えされている形で、押し目らしい押し目を形成したとは言えないとは思いますが、このまま20000円を維持できるかどうかも今後の焦点になると思います。 “株の窓口THE相場勘 ~夏枯れ相場に突入か~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~今週の注目ポイント~

今晩の米国市場は半日立会い、明日は独立記念日で米国市場は休場と言う中、本日の日本のマーケットは、昨日の都議会選挙の結果が顕著に出るのではと懸念をしていましたが、予想に反してこじっかりでした。

自民党は過去最低の議席数を下回り、小池百合子知事が率いた都民ファーストの会が第一党に躍進するなど、予想はしていたとは言え、サプライズな内容だったかと思いましたが、マーケットはさほど気にしていないようですね。

ただ、海外投資家が、この選挙結果をどのように判断するかは本日の動きだけでは分からない部分があるとは思いますが、何よりも私個人的には、本日場中に発表のあった、『小池百合子都知事が都民ファーストの代表を辞任』に関して、小池知事の判断力・行動力の
速さに、これまでの日本の体制に変化が期待できるのではないかと思えました。

今のところ、都議会選挙の結果は悪材料とはされていないようですので、他に注目すべき内容と言えば、週末の米国はNYダウは上昇したものの、ハイテク株には、引き続き利益確定の動きが見られましたので、この資金の流れについては注目したいところ。 “株の窓口THE相場勘 ~今週の注目ポイント~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~各国中銀の発言を受けて~

都議選を前に日経平均は、本日20000円の節目を切ってきました。
昨晩の米国市場でハイテク株を中心に大きく下落したことを受け、日本でもこれまで上昇の筆頭にあった、東京エレクトロンなどの半導体関連銘柄の下落が目立ちました。

こちらのブログを見てくださっている方は、本日の下落を回避出来たのではないでしょうか。
6/28(水)に書いた通り(参照;こちらをご覧下さい)、ECBのテーパリング観測については
すぐに終わる内容では無い為、今回の下落は予想通りでしたし、昨日のブログでも米国の上昇は『だまし』の可能性があることについて触れていました。

ECBだけでなく、カナダや英国の中銀もバランスシート縮小について言及してきていることもあります。

これまで金利が低かったことで、金利が業績にあまり関係の無いFANGなどの米国ハイテク株が買われていたという事もありました。バランスシートが縮小されると、金利が上昇するであろうと言うことで株式市場から資金が流れるのではないかとの懸念が出てきているとの見方もあります。 “株の窓口THE相場勘 ~各国中銀の発言を受けて~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~米国・金融株上昇の裏側~

久々に金融株の上昇が目立った形でNYダウは3桁上昇しました。
昨晩は長期金利が久々に上昇したことや、ストレステストの分析とレビューが発表されたこともあり、金融株は株主還元策を行うことが出来ると言うことで、これを先取りする動きだった
のだと思います。

ストレステストの結果では、対象銀行は全てOKであったことや、増配や自社株買いの可否を論じる審査結果も、米国マーケット終了後に発表されています。
シティ・バンクは配当を2倍、時価総額の6%近くを買い戻すなど、目立った株主還元策を発表しています。明日には、他のメガ金融機関も株主優遇策が出揃う形になります。
この内容をマーケットが待ち望んでいたので上昇したのか?と言うと、先週既に、このイベントを織り込んだ動きで上昇していましたので、2度同じ材料で上昇する感があり、この動きがどこまで続くのかは見守る必要がありそうです。

最近、米国長期金利が下落し続けていた中、このまま下げ続けるのではないかと言う中、ドラギ総裁の発言を受けて、切り返す形にはなりましたが、それが無ければ、ずるずる下げ続けた可能性が高いと思っていますし、この先、政治的にも厳しいものがあるので、今回のドラギ総裁の発言のみで上昇方向に切り替わると見るのは時期尚早ではないでしょうか。 “株の窓口THE相場勘 ~米国・金融株上昇の裏側~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~バーナンキ・ショックと同じ動きになるか?!~

昨晩の米国株式市場は、寄付きから売りが先行する展開で、ハイテク株は価格調整が強く、ヨーロッパ時間にドラギ総裁がタカ派発言をしたことで、ヨーロッパ債券が下落、それにつれて米国も債券が下落し、長期金利が上昇したことが重しになったほか、IMFが米国の経済見通しを4月時点から引き下げたこと、またオバマケア代替案の採決を独立記念日以降に先送りしたことなどを嫌気し、売り圧力が強まった形でした。

昨晩のうちで、今後のマーケットを見る上で、注意しておきたいのがECBドラギ総裁の発言についてです。

ドラギ総裁が発言した内容で特に注目なのが、『デフレ圧力がリフレ圧力(意図的なインフレ圧力)へと変わった』と述べたこと。
これまではデフレ圧力(物価下落圧力)が欧州圏では強く、それを払拭する為に金融緩和策を続けてきたが、デフレ圧力が後退してきているとの見方を示したことから、早ければ秋にも金融緩和策をやめて、徐々に引き締めてくるのではないかという見方がマーケットに広まりました。

マーケットは大きな変化に反応するものですから、既にFRBの利上げは織り込み済みであり、むしろ利上げペースに関しては懸念が広がる中、一方でECBはこれから引き締めを始めると言う事ですから、FRBで例えると、バーナンキ議長がテーパリングを始める意思を示したバーナンキショック(※)のようなインパクトが市場にはあったのかもしれません。
FRBに比べると、ECBのマーケットへの影響力は小さいものの、今回のドラギ総裁発言は、かなりのインパクトがあるものと見ておいた方が良いかもしれません。
ユーロ高、ヨーロッパを中心とした金利の上昇が、これからの注目材料になりそうです。

大きく動きを見せたのがユーロの急上昇。これを受けてWTIは4日続伸。
世界的にサイバー攻撃があったと伝えられたことで、ロシアの国営石油や海運大手が攻撃を受けて被害が出たとの報道により、石油供給に支障が出るのではないかとの見方から
買いが集まりましたが、米国マーケット引け後に、発表された民間の原油在庫統計で予想外の積み増しになったと言うことですから、需給見通しは引き続き弱気だと言えるでしょう。

※バーナンキ・ショック;2013年5月~6月、当時FRB議長ベン・バーナンキ氏の発言により起こった世界的な金融市場の混乱。
2013年5月22日に、バーナンキ議長が『テーパリング』の可能性を示唆したことを受けた翌日の日経平均は1143円安しました。

株の窓口THE相場勘 ~米国の減税政策について~

会員様に推奨中の銘柄が本日、大きく上昇!
昨日も小幅に上昇していましたが、利益確定まで後ちょっと。こう着感が強い相場勘今日の中、順調に利益を広げています。

長期で見るとボックスで動いていたのと、需要は今後も地味に伸びていくであろうことを見れば、推奨した時点では割安だと思い推奨した中、○○○の発表もありましたので、上昇の良いきっかけになりましたね。株主総会を控えて、機関投資家が動きづらい時には、こういった銘柄の力強さを感じます。

さて、昨晩の米国ですが、発表のあった『5月耐久財受注』、『5月シカゴ連銀全米活動指数』の発表がありましたが、いづれも予想を下回る結果となりました。
この結果を受けてNYダウは一時マイナス圏で推移する時間帯もありましたが、メイ英首相が民主統一党との合意を確保したことが伝えられ、欧州が上昇。外部要因にも支えられ好環境の中、決算を控えた期待感もあり、一時は111ドル高まで上昇した場面もありましたが、アップル、アルファベットなどの大型ハイテク株が売られたことで利益確定売りが広がり、小幅に上昇して終えました。 “株の窓口THE相場勘 ~米国の減税政策について~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~こう着感の強い週~

週末の米国市場は、WTIが切り替えしたことが好感されたものの、引けにかけて長期金利が低下したことを受けて、金融セクターが売られNYダウは下落して終えました。

これを受けた本日の日経平均は個別で動きはあるものの、先週から引き続きこう着感の強い展開になりました。この動きは今週いっぱい続くのではないかと見ています。

日本では株主総会シーズンとなりますので、思惑から動きを見せる銘柄も出てくるとは思いますが、7月2日(日)には都議会選挙の投開票を控えており、積極的には動きづらいのではないでしょうか。

都議会選挙の注目点は、小池氏率いる『都民ファーストの会』が、選挙協力する公明党等の支持勢力と合わせ、都議会の過半数を得られるかどうかでしょう。
スキャンダルの中、安倍総理の支持率は49%まで低下し、自民党の支持率も40%にまで下がっています。選挙の結果によっては、安倍政権の政策基盤が揺らぐ可能性も否めず、海外機関投資家の目線も気になるところです。

ドル円については、週末の動きを見ても、利上げに関する懐疑的な見方がマーケット関係者の中で残っていることを示しています。週末発表のあった新築住宅販売件数は年率換算件数では予想を上回ったものの、前月比では予想を下回りました。
最近発表された経済指標、とくにインフレに関する指標がFRBの見方とは異なっているとの声も出ています。 “株の窓口THE相場勘 ~こう着感の強い週~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~オバマケア改廃案~

昨晩発表のあった米国・5月景気先行指標総合指数は予想と一致で、特にサプライズもなく、売るにも買うにも材料難であった中、米上院共和党によるオバマケア改廃案が公表されたことを受け、好感されたヘルスケア株が買われ、金利の低下を嫌気した金融株が売られるかたちで、高安まちまちの展開でした。

日本でも主だったイベントが無い中、買うにも売るにも材料が乏しい中、一日を通して方向感の乏しい展開。
ここ数日バイオ関連株が循環物色されているところを見ると個人投資家の投資意欲は続いているように見えますので、暫くは、こういった展開が続くものと見ています。

相変わらず、トランプ大統領は動きを見せているようですが、以前ほどトランプ大統領の発言に相場が動かされることもなく、政策の進め方を様子見しているように思えます。

米上院共和党『オバマケア改廃案』の内容は
・富裕層向けの課税を撤廃
・コスト削減に向け、貧困層向けの支援を削減
・既に可決されている下院案を大方、踏襲しているが、複数の主要項目で異なる内容
ですが、上院共和党員の中にも、この内容では賛成できないとする立場を示す者もいますし、オバマケアの修正は支持するものの、撤廃には反対している民主党員も、今回発表のあった草案に対し即座に批判を示していますので、法案成立には時間を要しそうです。 “株の窓口THE相場勘 ~オバマケア改廃案~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~『FANG』上昇の理由~

昨晩の米国市場はNYダウが軟調な中、ナスダックが再び切り替えしてきました。
ナスダックの堅調さは総じて続いていますが、一時、トランプ大統領が選挙に当選するまでは「FANG」(FaceBook、Amazon、ネットフリックス、グーグル)のみが上昇し、他の金融やエネルギー等の銘柄が上昇しないという状態が続いていましたが、ここ数ヶ月は再度同じような動きが続いており、昨晩の米国の動きは、それを象徴するようなマーケットだったと思います。

他にも、昨晩はWTIが昨年来安値を更新中ということで、原油もしくは資源開発への意欲が削がれるのではないかとの懸念から、関連銘柄であるキャタピラーなどの下落が目立ちました。資源関連・原油関連・金融関連と言うNYダウ構成銘柄の主力株の弱さが、株価指数の弱さに反映されていると思います。

本当にマーケット全体が力強く上昇するのであれば、金融が上昇しなくてはならないところですが、原油価格を見ると50ドル以上は難しく、下はまだまだありそうなチャート形成をしています。米国のシェールの状況を加味すると、50ドル近くまで損益分岐点が下がってきており、チャートと動きが一致していることを考えると、原油価格の上昇は厳しいものがありそうです。

原油価格が下がると、期待インフレ率が下がり、金利が上がらなくなり、金融銘柄が下がるということが、過去に何度か起きていることなので、原油の下がりすぎと言うのは、これまでの経験からすると良くない状況と言えるのではないでしょうか。

一方、昨晩発表のあった『中古住宅販売件数』は予想に反して良かったことから、調整しそうで、調整せずと言うのが今の状況であり、金利は上昇しない状況下で、トランプ大統領が当選してから上昇し続けてきた調整がいつ来てもおかしくないにも関わらず耐えていると言えるでしょう。昨晩もエネルギー銘柄は下げていますが金融銘柄はまだ耐えている状況が続いています。 “株の窓口THE相場勘 ~『FANG』上昇の理由~” の続きを読む

株の窓口THE相場勘 ~MSCI中国A株指数組入決定~

昨晩の米国は最高値更新の反動もあってか、NYダウは一時、プラス圏で推移することもありましたが、一日を通して軟調に推移しました。

アマゾンはスーパー・ホールフーズを買収したことを発表したことが記憶に新しい中、昨晩はアパレル業界にも踏み出すことを明らかにし、他の小売株にはマイナス要因が働くのではないかとの懸念から売りが先行。原油下落も下げの要因だったと思います。

アマゾンに関しては買収などの報道によりプラスに受け止めている投資家が多いようですが、その他の銘柄には、今後の警戒感が出てきているのは気になるところ。

原油価格WTIは、43ドルまで下落してきました。OPECが減産延長したことで、先月までは、楽観姿勢が見られましたが、リビアの増産・アメリカのリグ増などが明らかになってきており、最近では急速に供給過剰懸念が高まってきているように見えます。
追加減産をしないと、解消されない問題のように見えますが、カタール問題なども解決されていない状態なだけに、今後も軟調な推移をする可能性が高いのではないでしょうか。
場合によっては40ドルをも割る可能性があるのではと見ているマーケット関係者もいるほどです。

そんな中、昨日はMSCIが中国A株を指数に組入れる決定を発表。実施されるのは1年先ではありますが、この結果から、日本のマーケットからの資金流出の可能性を考えると、売り仕掛けをかけるきっかけにもなりうることから、警戒感を持たざるを得ないのではないでしょうか。 “株の窓口THE相場勘 ~MSCI中国A株指数組入決定~” の続きを読む